長尾秀樹衆議院議員と枝野幸男立憲民主党代表

安倍首相と政府は真実を残らず明らかにし、国民に謝罪するべきだ。

  6年あまりの『安倍一強体制の』弊害ともいえる官邸・省庁の不祥事が続発し、国民の行政と政治への不信感が頂点に達しています。

3月12日、財務省も認めることとなった森友「決裁文書改ざん問題」、27日の佐川前国税庁長官(改ざん当時の理財局長)の証人喚問でも、『刑事訴追を受ける恐れ、捜査中の案件』を理由として一
切の真実は明らかにならず、その後も8億円値引きの根拠となったゴミの量について虚偽の説明を強要(理財局職員から森友側弁護士に)するなど、不法・不正が次々に暴露されてきました。

一方、事務方トップの事務次官による女性記者への度重なるセクハラ発言が、音声データを含め週刊誌に暴露され、本人は事実を否定しながら4月19日夕刻に辞任表明、その夜にはテレビ朝日報道局が
自社の女性記者が被害者の一人と詳細な経過を発表しています。

安倍首相・官邸と政府は、イラクへの自衛隊派遣日報問題や、以下詳述する加計学園の獣医学部新設に至る経過を含めて真実をつぶさに明らかにし、責任をもって国民に謝罪すべきです。

 

「総理のご意向」「官邸の最高レベル」は明白

加計学園優遇は2015年4月2日から始まった

本年4月10日の報道で、2015年4月2日、上京した愛媛県職員らと官邸で「首相案件」と面談に応じた柳瀬唯夫・首相秘書官(当時)の記録文書(備忘録)が明らかになりました。安倍首相がこの問題について、17年1月20日に申請が正式決定し初めて知った」と強弁していることと根本的に矛盾します。

時系列に沿って問題を整理すれば、事の本質は一目瞭然です。

 

15年4月2日、「首相案件」=「要請内容は総理官邸から聞いている」

午前中に面談できた内閣府藤原豊地方創生推進室次長は、「要請の内容は総理官邸から聞いている」「政府としてきちんと対応、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい」「ポイントを絞ってインパクトのある2、3枚程度の提案書案を作成、早い段階で相談されたい」「獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、カリキュラムの工夫やペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい」「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」と懇切丁寧に助言しています。

これを受けた午後の首相官邸では、面談に応じた柳瀬唯夫・首相秘書官(当時)が、「本件は、首相案件となっており、(前述の)藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていく」「国家戦略特区のほうが勢いがある」「いずれにしても、自治体が死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件」「四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、農水省・厚労省も歓迎する方向。文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず」。

少なくともこの日を契機に、「構造改革特区」で実現しなかった加計学園・獣医学部の新設を新たな「国家戦略特区」で官邸が関与して進めていたことが明白になっています。

 

16年9月9日、安倍首相「『残された岩盤規制』について加速的・集中的検討を」

国家戦略特区諮問会議(議長:安倍首相)において、「獣医学部の新設は(中略)極めて重要だが岩盤が立ちはだかっている」との民間議員の発言を受けて、安倍首相は、会議の最後に「本日提案いただいた『残された岩盤規制』について(中略)実現に向けた検討を、これまで以上に加速的・集中的にお願いしたい」と発言。

 

16年9月16日、「総理からも提案課題について検討を深めようというお話」

これを受けて、獣医学部新設の問題を本格的に議論するために開かれた9月16日のWGの冒頭で、藤原豊次長が、「先週金曜日に国家戦略特区諮問会議が行われ(中略)その中で重点的に議論していく項目の1つとしてこの課題が挙がり、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいている」と発言。つまり、実質的にこの日のWGから始まっている獣医学部新設に関する議論は、「9月9日の諮問会議での安倍首相の指示」によるものであることを明言しているのです。

 

16年11月9日、「広域的に」と「限り」を加え、京産大は撤退

国家戦略特区諮問会議は獣医学部設置の地理的条件の素案に「広域的に獣医師系学部が存在しない地域に限り」を加え、文部科学省の「既存の大学・学部では対応が困難な獣医師養成の構想が具体化」という修正案は通らなかった。このため、同じく獣医学部新設を要望していた京都産業大学は撤退し17年1月の決定を迎えるわけで、加計学園だけを優遇したことが明白であり、まさに昨年6月15日、文科省が文書の存在を認めた、「総理のご意向」「官邸の最高レベル」と符合するものです。

 

国会の権能と民主主義の根底が問われている

世論調査では加計学園問題で安倍首相の説明に「納得できない」との回答が79.4%に、納得できるは13.2%。内閣支持率も続落しており、国民の政治への不信感を取り除くためにも、国会の質疑や証人喚問を通じて、真摯な反省と包み隠すことなく真実の説明が必要になっています